
手間暇を惜しまない、旬を感じる家庭料理のお店「はなの台所」
人田畑の事務局スタッフでありながら、はなの台所のオーナーとして温かな家庭料理の魅力を伝える酒井さん。はなの台所をオープンするまでの道のりや、飲食店経営者の目から人田畑のお野菜はどのように見えているのかについてインタビューしました。

紆余曲折、そしてコロナ禍真っただ中でのオープン
―はなの台所をオープンしたのはいつ頃ですか
酒井さん:オープンしたのが2021年の7月だから、もうすぐ4年になりますね。
―コロナ禍でオープンしたんですね!?大変だったんじゃないですか
酒井さん:逆にコロナ禍でオープンしたのがまた良かった部分もあって、最初からテイクアウトを用意したりとか、コロナ禍だったからこそ今の形態が出来上がったところがあります。

―人田畑との関りはいつからあったのでしょうか
酒井さん:人田畑の前身となるおいしいNIIGATA事業創造組合の時代から関わっていて、もう6年ぐらいになるのかな。その頃の人田畑は農家だけで運営をやっていて、農家以外の人に入ってほしかったみたいで。知人の紹介で経理スタッフとして関わるようになりました。経理は未経験だったけど(笑)。
―その頃から自然栽培やオーガニックに興味があったんですね
酒井さん:その時は新潟で有名な自然食品店のナチュレ片山さんのパートとして働いていて、そこからの繋がりでした。
―自然栽培そのものに興味を持つようになったきっかけはなんだったのでしょうか
酒井さん:大学時代は農学部でバイオテクノロジーとか栄養学とか「食」に近いところにいたけど、そのころは興味なくて。その後は大学の助手をしたり製薬会社に勤めたり、、、転々としていたんだけど、一番のきっかけは富山にいる姉が兼業農家の家に嫁いでそこで自然栽培をはじめたこと!
―お姉さんがきっかけなんですね
酒井さん:それがきっかけで自然栽培っていう栽培方法があるんだ!ということを知って。さらにそこから人田畑も知りました。今でも宮尾さん(自然栽培米農家で人田畑メンバー)のところに勉強しにきているみたい。

飲食業界未経験からの挑戦
―はなの台所にはどのようなテーマがあるのでしょうか
酒井さん:コンセプトは「旬を感じる家庭料理のお店」で、できる限り店内で手作りをしているというのがひとつポリシーかな。調味料に関しても添加物の入っていないものを選んで、もちろん自然栽培のお野菜も!

―まさに手間暇かけて丁寧に、という感じですね
酒井さん:出来上がったものを仕入れる方が効率いいのはわかっているけど、手間暇をかけたものを提供したいんです。そこは自然栽培の農家さんと通じるところがありますね。もしかしたら飲食店勤務の経験がないからこそ、たどり着いたあり方かもしれません。
―飲食業界未経験での挑戦!?
酒井さん:飲食店勤務はなかったけれど、だからこそできる実家のお母さんのように温かいお料理が提供したいです!

人田畑のお野菜を使ってみて
―酒井さんは人田畑の事務局スタッフでありながら、人田畑のお野菜を使用しているお客様でもあります。使ってみてどんな感じでしょうか
酒井さん:どのお野菜も味がしっかりしていて濃い!味付けが美味しいのかと思ったら食材そのものが美味しいということがよくあります。あまり手をかけず食材そのものを引き出す調理方法がいいのかなって思う!一緒に調理してくれるスタッフも味が濃い、しっかりしていると評価してくれて、そうだよねー!って盛り上がります。
―人田畑農家メンバーを代表して、ありがとうございます!
酒井さん:いえいえ!それになぜかお皿に盛った時の“存在感”が違うんだよね!(笑)ひいき目だけど栽培している人の顔がわかっているところも大きいです。
―農家として参考にしたいのですが、これはちょっと、、、って思う時はありますか?
酒井さん:うーーん、、、強いて言えば自然栽培でできたお野菜は形や大きさがまちまちだったりして、手間がかかることはあるかな。一瞬どうやって調理しよう、、、ってなる時もある。自分の家で食べる分ならいいんだけど、お客様に出すとなると目で見ても喜んでもらいたいですから。
―なるほど、、、
酒井さん:あと来週も買いたいなと思ったら突然終了したり(笑)
―人田畑農家メンバーを代表して、すみません!まだまだ頑張ります!
酒井さん:いやいや!今あるものを、旬のものを提供したいからいいけどね!

インタビュアー:みなみ農園 田村勇樹